活動方針その4-労働条件の底上げと社会的横断化の促進とディーセント・ワークの実現

1.産業政策と連動した雇用創出と、セーフティネットの充実
(1)産業政策と連携した雇用創出の取り組みを強化するとともに、国と地方自治体との共同連携による就労支援・生活支援を含めた「一体的実施」の推進と、労使の運営参画を求める。

(2)第一のセーフティネットである雇用保険について、充実・強化に向けた見直しや、施行後4年が経過した第二のセーフティネットである求職者支援制度について、実施状況を検証した上で見直し検討等を求める。

2.賃金・労働条件の底上げ・底支えと、労働条件の社会的横断化の促進
(1)連合山形「中小労働運動委員会」活動を強化するとともに、地域協議会の活動を通じて中小・地場組合に対する支援を強化する。特に、春季生活闘争での要求書作成から要求書提出まで、交渉の実践サイクルが定着するように支援していく。

(2)中小・地場企業労働者の賃金・労働条件改善に向けて、賃金実態調査等による実態把握や交流会を実施し、格差是正の取組みを強化していく。

(3)通年的な総合労働条件改善闘争として、全ての組合が参画する取り組みによって闘争の集中化をはかり、賃金改善、労働時間短縮など働き方の改善と未組織労働者も含めた配分の歪みの是正、低賃金改善・底上げをはかる。

(4)すべての働く者の労働条件の底上げ・底支えをはかるため、構成組織・地域協議会との連携による重層的な共闘体制を構築するとともに、構成組織に対し要求内容や妥結内容など情報開示を求め、積極的に情報発信を行う。

(5)格差が拡大するなかで、「地域ミニマム基準」と組織内「賃金到達目標額」の設定、格差是正・二極化阻止、均等待遇の実現などの課題に取り組む。また、より多くの組合の要求書提出・交渉・妥結をめざして取り組む。

(6)春季生活闘争方針については、連合本部の方針を受け地域情勢等も勘案し策定する。

(7)社会に開かれた春季生活闘争の実現をはかるために、「フォーラム」などを開催する。

3.生活できる最低賃金の確立に向けた取り組み
(1)すべての組合が、その産業の公正基準を担保するにふさわしい水準で、企業内最低賃金協定の締結をめざす。

(2)地域別最低賃金の改定にあたっては、中央最低賃金審議会における目安を尊重しつつ、地域における賃金実態、生活実態・生計費を重視し、絶対額での適正な水準確保をめざして自主性を尊重した取り組みを進める。連合山形リビングウェイジ時間額※3)を重視し、「セーフティネットとしての実効性の高い水準」をめざす。
※3)連合山形リビングウェイジ時間額850円

(3)特定最低賃金は、労働条件の向上と公正競争を確保する観点から、当該産業労使がイニシアチブを発揮し、基幹労働者に相応しい賃金水準を確保する。また、合意労働者を増やすため、連合未加盟組織などへの理解活動など強化していく

(4)最低賃金法の遵守のため、労働基準監督官の増員などにより監督行政の抜本的強化を求める取り組みを行う。

(5)広く県民や組合員に理解を求めるため、構成組織・街頭の両面で最低賃金引き上げを求める署名運動や街頭行動に取り組む。

4.ディーセント・ワーク実現に向けたワークルールの整備
(1)解雇規制や労働時間規制、派遣期間制限の緩和など労働者保護を後退させようとする労働者保護ルールの改悪を阻止するため、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」キャンペーンと連動した大衆行動など、構成組織・連合本部・地域協議会と連携し取り組む。

(2)「協約から法律へ」運動に取り組む。まずは、特別条項付き36協定に係る構成組織毎の年間上限時間の設定(750時間を上限とし、限りなく360時間に近づける)や勤務間インターバル(原則11時間)の導入等、長時間労働是正に向けた労使協定・労働協約締結に取り組む。

(3)過労死問題やいわゆる「ブラック企業」問題等に適切に対処するため、各職場で“自組織から過労死等を出させない” 連合「過労死ゼロ」運動と、計画年休の積極活用など年次有給休暇の取得を促進する、連合「しっかり休んで、いい仕事」運動を展開する等、労働組合として主体的な取り組みを進める。さらに、労働局に対して労働基準監督官の増員・増強、また、県に対し地方労政の充実・機能強化など求める。

(4)労働契約法について、有期契約労働者の5年の無期転換期間短縮など法を上回る取り組みを通年的に行うとともに、無期転換直前での雇止め抑止に向けて法内容の周知に取り組む。また、有期特措法について、特例対象労働者の雇用管理が適切に実施されるよう取り組む。

(5)集団的労使関係構築に向けて、過半数代表者の選出手続の厳格化等、過半数代表制の適正化に取り組む。

(6)労働者の権利保護啓発に向けた労働教育の強化と、県労働行政の機能強化のため、県の主催する「山形県労働学院」へ参加・協力する。

5.労働安全衛生対策の強化
 2015年12月施行のストレスチェック制度創設や2016年6月施行の化学物質のリスクアセスメント対象範囲の拡大など、「『改正労働安全衛生法』に関する連合の取り組みについて」に基づいた取り組みを進める。また、労働災害防止に努め、労働組合の安全衛生対策の活動を強化する。

  
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